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幸福雑音

女性向け二次創作サイト。 イベント参加情報もここに載せています。 オフは忍たま、オンでは青エク中心。

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☆ss「高砂2」勝呂家の家族会議ギャグ 勝燐 未来捏造

今日は勝呂家始まって第三千三百三十四回目の家族会議の日だった。
「はい。今日の議題です。」
 何故か志摩家と三輪家と宝生家の面々も、代々の祖先を祀った仏間に集まっている。彼らも勝呂の本家にとっては家族も同然であるから。というよりは、家族会議とは言いながら、宗派の総会じみている。しかし今回の会議はそんな堅苦しいものではないが、勝呂の表情は果てしなく硬い。
 勝呂の目の前には両親の虎子と達磨が対峙している。つまり今日の会議はこの親子の話し合いなのだ。しかも虎子の斜め前、つまり勝呂竜士の右側、妻の席にあたるところには何故か奥村燐という新顔がいた。
「竜士。よう長いこと、燐君をうちらに内緒にしとったなあ?」
 虎子の言葉に勝呂は言い訳できないが、言い訳したそうに俯く。虎子に言い返したのは燐だった。
「勝呂が俺のこと内緒にしてたのは、しょうがないんだよっ。だって俺は……」
「サタンの息子やろ。」
 虎子が平坦な声で言った。勝呂の肩がびくっと震える。
「そんくらい想定内やわ。」
 
 え?
 
 虎子の一言に、その場にいた一同がポカンと口を開けた。
「もちろん息子が男と付き合うなんてこと、うちにとっては想定内やったわ。」
「いや女将はん。最初の想定内より、そっちの想定内のほうが普通に聞こえるから不思議やわ。」
「コレが言葉のマジックいうやつや。」
 流石は恋愛結婚で明陀宗の座主の妻になった女である。ゴリ押しは得意だった。
「最初の想定内はなあ、あんだけサタン倒すサタン倒す言うとったら、サタンの子ども一人引き寄せても可笑しくないと思うとったんや。」
「おかん。それほんまに思うとったこと? 今思いつきで言っとらへん?」
「竜士。ちょっと京都離れとったら、京都弁なっとらへん。そういうときは言うとられまへんか、やろ?」
「こまかっ。でもそうかもな。」
 脈絡の無いところでも教育的指導が入るのが虎子だった。そういえば標準語に毒されてたかもしれんと思い直すところが、勝呂の律儀なところだった。
「はい。」
 すっかりホームルームのノリの燐が挙手をする。
「俺と勝呂は、まだエッチなことはしてないんだ。勝呂真面目だから。」
「アホかっ。」
 真っ赤になって母親に打ち明ける燐に対して勝呂は真っ赤になる。
「一応言っておこうと思って。」
「おとんやおかんだけならともかく、他の連中もおるんやから。」
「竜士あんた、不能やったん?」
「おかんもアホか!」
「そやかて。手出してこん男は、ホモか不能かというのがお母ちゃんの常識やから。」
「そんなお母ちゃん悲しすぎるわ! それに息子を不能呼ばわりするなやっ。燐かて真面目やから言うてたやろ?」
 虎子は燐の目を見据える。
「燐ちゃん。もしかしてうちの息子に騙されとらへん?」
「燐を被害者にするなや!」
 勝呂は会議が始まって十五分も経ってないのに、既に肩で息をしている。そんな息子と嫁と息子の嫁(?)をニコニコと眺めていた達磨だが、流石に息子に助け舟を出したくなってきた。
 
「いやあ。藤本君の言っていた子どもって、燐君やったんやねえ。手紙にはああ書いたけど、めぐり合わせって不思議なもんやなあ。」
 
 誰もが達磨の言葉が、坊にとって良い助け舟だと思っていた。しかし――。
「あんたやっぱり藤本はんのこと……」
「ええー?」
 虎子が斜め上方向に投げ返してきた。
「いやわしは単に、うちの息子の竜士と藤本君が育てた燐君が付き合ってるのは、本当に不思議な巡り合わせやと思っただけや。」
「仏教の坊主が紅い糸を語っとるわ。とんでもない破戒者や。」
 まさかの嫁のスマッシュ・ヒット。達磨は困ったような笑みを浮かべる。
「虎子。わしはそんな……」
「あの青い夜以来、うちがどんだけ苦労したと……」
 思わぬ細腕繁盛記的な山水館加代を彷彿とさせる話が燐に聞かされる。
「ろくでなしな亭主と理解の無い息子になあ……。」
「お義母さん――。」
 燐は熱心に相槌を打つ。勝呂家を取り囲む一同は思った。これは収拾がつかないと。
 司会者として機能しなかった志摩廉造が今更音頭を取る。
「本題に戻らせて貰いますわ。結局おっさまと女将さんは、坊と奥村君の仲を認めてはるんでしょうか?」
 よく言った! 志摩の父親の八百造が思わず声援を向けた。
 これが明陀宗の運命の分かれ目になると、誰しもが緊張した。悪魔との共存か。それとも、今までどおりなのか。達磨と虎子は耳打ちし合う。達磨が上を向いて口を開く。
 
「勝手にしたらええんと違いますか?」
 
「なんじゃそら。」「はっきりせなああかんやろ。」「サタンだよ。」「相手サタンの息子だよ。」「娘ならともかく息子だよ。」「そない適当なのは困ります。」
 行を変える暇も無く野次が飛んだ。その中でも、割と熱血漢な志摩家次男の柔造の叫び声が際立っていた。それでも虎子は動じない。
「うちはやっと、うちのもとに居てくれるお父ちゃんと、仲良う出来ればそれでええんや。そう、死んで……やっとなあ。」
 虎子の横の勝呂達磨は(実は)半分透けた姿だった。誰しもがそのことに触れないようにしていたが、虎子には通用しない。
「うわあ! 原作最悪のルート言ったあああ! しかも黙ってれば小説じゃ分からない設定だったのに!」
「霊ならもう女遊び出来へんやろ。」
 澄まして虎子は言う。達磨はすまんと謝る。虎子は首を振る。
「アホで腑抜けた振りするんは、死亡フラグの常套やろ? お父ちゃん、覚悟出来とったんやな。」
「まだ原作確定してませんから!」
 勝呂竜士は叫ぶ。原作で未確定の父の死を否定する為に。
「竜士。ろくでもない秘密ばかりの父親でごめんな。ええんやよ。男でもサタンの息子でも、幸せになれるんやったら。お前が明陀の秘密を背負わず幸せになれたら、お父ちゃんのやったことは無駄やなかったと思えるんや。」
「良い話にしようとすな!」
 絶対に父の死を確定させまいと、触れられないはずの胸倉を掴んで勝呂は叫び続ける。燐もそれに加わる。
「そうだぜ! 親父さんは絶対に助かるっ。だってまだ勝呂と仲直りしてないじゃないか! 俺にだけ手紙で打ち明けて終わりなんてズルイよっ。」
 感じ易い燐が涙を零して、実体の無い達磨に縋る。そんな燐に達磨は優しく言う。
「そうやな。こんなオチやったら、わしはずっと藤堂にやられた傷がもとで植物状態やったのが、三年後にふいに目覚めるフラグかもしれへんな。」
 おお!と一同が沸いた。ふっと達磨の姿が消える。
「病院やっ。」
「病院行くんや。」
「あては医師に電話して訊いてみるっ。」
「今電話鳴った! おっさま目ぇ開けたって……。」
 何もかもが混乱のうちに、今回の勝呂家の家族会議が終わった。
 今回解決したこと。勝呂達磨が植物状態から回復しました。



まさかの未来捏造です。夫婦ネタ二つ続けてみました。どちらかというと夫の両親のインパクトが強すぎる。
設定年齢は勝呂と燐は18歳です。7月号の続きがハッピーエンドになって欲しいという願いを込めて勝呂と燐の台詞は書きました。半透明の存在にしてごめんね。おっさま。
それにしても三年経ってもエッチ無しとは、そりゃあ実の母親に疑われますよ勝呂君。

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柴仲達
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女性
職業:
会社員
趣味:
読書、二次創作
自己紹介:
忍たまで「幸福雑音」というサークルで、大阪のイベントに出没しています。
絵描きの竹さんと字書きの柴の二人サークルです。
柴はツイッターもしています。http://twitter.com/#!/hitsugi12

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