幸福雑音
女性向け二次創作サイト。 イベント参加情報もここに載せています。 オフは忍たま、オンでは青エク中心。
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☆ss「パドドゥ」勝燐前提の雪燐 「カバティーナ」後の二人
「兄さん。服を脱いで。」
雪男は相変わらず冷静で平坦な口調で燐に強制する。燐が放課後とかに勝呂と二人きりで過ごしたあと寮に帰ってくると、必ずそういうふうに求められる。弟曰く、やましいことをしでかしていないか、螺子の緩んだ兄が自分の正体をうっかり勝呂にばれるようなことをしていないかの確認だった。いわゆる身体検査だった。
燐はそんなことをしていないし、勝呂もこれからも暫くの内はそういうことはしないと言ってきた旨を雪男には伝えているけど、いかんせん雪男は信じてくれない。その言葉の奥底には燐に対する歪んだ愛情があることも燐は承知しているので、雪男の気が済むならと思って弟の目の前で肌を晒している。
雪男はまず全裸になった燐の全身を観察している。正直、雪男の目つきは内科のお医者さんと言った感じだが、却ってそんな事務的で温度の感じない視線が、わけのわからない恥ずかしさを駆り立てる。
「うん。変なうっ血とかもないし引っかき傷も無い。」
雪男は独り言を言っているが、初心な燐にとっては雪男の頭の中の自分はどんな状況なんだと想像して紅くなる。勝呂が自分に対してそんな、うっ血や引っかき傷を作るなんてのは、どういうことなんだろうか。
「兄さん。変な想像しない。」
「し、してねえよ……。」
嫉妬深い弟は妄想すら許さなかった。雪男は屈んで燐の性器まで観察し始める。そんなものを見て何が分かるんだと燐は首を傾げるけど、雪男は眉間に皺を寄せながら後ろを向いてと燐に指示だしした。
「何を見るんだよ――?」
今までより執拗な雪男の確認作業だった。それでも燐は素直に後ろを向く。背中にうっ血やら引っかき傷が無ければ、もう服を着ても大丈夫だと思った。
「兄さん。ちょっと足開いてくれない?」
「え? こうか?」
ちょっとと言われたから、燐は肩幅より狭いくらいに足を開いた。
「え? ええ? 雪男、なんで?」
思いも寄らないところに雪男の手が伸びてきた。
「ちょっと待て。どうしてそこ触るんだよっ。」
「兄さん。これは身体検査なんだから。」
「いままでそんなとこ、……見なかっただろ。」
雪男は燐の尻の薄い肉を割り開いて奥を観察している。
「雪男!」
耐え切れなくなって燐は身をよじろうとしたが、それより一瞬早く雪男の手が離れていく。
「大丈夫みたいだね。出血も裂傷もない。」
燐は声も出ない。あまり疲れを感じない身体なのに肩で息をしている。
「なんだよ。それ。」
「ちっ……。知らなかったのか――。」
雪男はぶつぶつ独り言を言っている。しかし「余計なことをしてしまった」とだけは燐の耳に届いた。
「これで余計な知恵付けてしまったかも……。」
燐は服を着ることも忘れて雪男を凝視している。雪男は一つ溜息をついて兄にごめんと謝った。
「僕が先走り過ぎて、念入りに検査し過ぎちゃっただけなんだ。」
「し過ぎちゃったって、おい!」
「だから、本当にごめん。」
学園に入学してからずっと見ていなかった雪男の焦った顔と、深々と大袈裟に下げた頭に燐は戸惑ってしまう。
「男同士のエッチって、あそこ使うのか?」
恐る恐る燐は訊いてみた。雪男を今回は許そうと思ったついでの、たった一つだけの質問だった。しかし雪男の顔がくしゃくしゃに歪む。
「泣くほど嫌な質問だったのか……。」
「兄さんが知らないなら知らないままで良かったんだ。それを僕が、ごめん。」
燐としては謝るのはいいから、真実を教えて欲しいところだった。しかし雪男の泣き顔を見る限り、真実は一目瞭然のようだった。
「――大丈夫だ。勝呂はそんな変なことしない。勝呂は真面目だし、そんなことしないって言ったから。」
雪男はうな垂れて顔を上げて、「本当?」と燐の両手に縋ってくる。その幼い仕草に兄としての嬉しさと優しさがこみ上げてくる。
「本当だから。そんな変なことするなら、俺今までどおりキスだけでいい。」
雪男の肩がぴくりと反応したが、自分がさっきやらかしたことのショックが強すぎたのか、どちらかというと穏やかな眼差しで兄を見ていた。
「そっか。そうだよね。」
自分の中の欲望を否定されたような気がしたが、兄の無垢さに疑心暗鬼が解かされたような気がする雪男だった。
しかし――。
「兄さんはもっと大人にならなくちゃね。」
そうしなければ自分の思いも永遠に一方通行だと、雪男は歪んだ愛までは捨てられなかった。
雪男君の痛恨のミスです。
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絵描きの竹さんと字書きの柴の二人サークルです。
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