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幸福雑音

女性向け二次創作サイト。 イベント参加情報もここに載せています。 オフは忍たま、オンでは青エク中心。

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☆ss「ロリ弟ゆきお☆マギカ」燐雪

「あーっ。ほんとに美味しかった。」
「だろ。」
 ほのかに漂う甘い香りに包まれて燐としえみはご満悦だった。しえみはたまたま配達に来ていて、たまたま旧男子寮でお菓子を作っていた燐と雪男に招かれて、お菓子付のお茶会によばれた。燐はバースデーケーキの一件以来お菓子作りにも凝りだしたらしく、こうやって時々何か作っている。
「いやあ。いい材料が手に入ったもんでよ。タダだったからけちけちせずに済んだし。」
「兄さんは本当にタダが好きだよね。」
「素人の菓子作りって凝り出すと材料費バカになんねえからな。量産出来ねえ時点で単価なんか買うより高くなるのもざらだし。プロの技術料のほうが安価なんて皮肉な話だよな。」
「大丈夫だよ。燐ならプロに負けないよ。」
 しえみの言葉に雪男が続く。
「そうだよ。兄さんの技術とそれなりの高級な素材さえ揃えば兄さんは無敵さ。」
 しえみと燐が顔を見合わせ合う。こんなにあっけらかんと兄を褒める弟は珍しかった。
「どうしたの? 雪ちゃん?」
 しえみが雪男の顔を見つめて驚いたように言った。雪男ははにかんだように笑みを見せる。
「お菓子とても美味しかったから……。」
 雪男は紅茶に口を付けて一口啜ると口元を緩ませてにこにこしている。美味しいものを食べて気が緩んでいるのかとしえみも燐も思った。
「じゃあ俺のも食えよ。雪男が食い物に関心持つなんて滅多にねえからな。ほら。」
 燐は自分の前の皿を雪男に差し出す。弟にお菓子を分けてあげる兄らしい姿だった。それを見たしえみが「あっ」と声を漏らした。
「実は私も……もうちょっと欲しかったかも。」
「なら。雪男と半分こにしろよ。俺は試作品を結構食ったしな。」
「ありがとう。」
 しえみは言われると直ぐに燐の皿を自分の方に引き寄せ、皿の上の焼き菓子をフォークで半分こにした。そしてどちらが大きいかじっくりと吟味したあと、納得がいったほうを自分が取った。甘いお菓子の前だと恋する女の子もただの食い意地の張った子どもでしかなかった。
「じゃあ。いただきます。兄さんありがと。」
 雪男もゆっくりと焼き菓子を口に運ぶ。目を細めて、ハムスターのようにお菓子を頬張る二人の姿に燐は満足げだった。
『雪男もなんだかんだ言ってまだガキだな。』
 しえみも一緒だからなのだろうが、いつもの妙に大人ぶっている弟が歳相応の、否、遥かに幼げになっている雪男が、昔の無邪気に自分の後をついてきた弟に重なる。そういえば泣き虫だった弟に自分の分のお菓子をあげて泣き止ませた覚えもある。本当に雪男はお菓子が好きだったんだなと実感する。
 こんな歳になって好物は魚料理だと若者らしくない嗜好を人前では言って、飲み物はミネラルウォーターを愛飲する弟だが、根っこにはこんな子どもっぽい一面が潜んでいたのか。ただしそれは本当にお菓子だけに限定されてしまうかもしれないが。
「お菓子好きの雪男。誰かにバラしてやりたい気もする。」
「なんか言った。兄さん?」
「いや。なんにも。」
 しえみには褒められたし、久しぶりにこんな可愛い弟も見られたし。燐は頭の中に浮かんだある人物に密かに感謝した。
 
 しえみは燐の分のお菓子を食べ終え、紅茶をおかわりしたあとに帰って行った。去り際に「次に作ったときもまた呼んでね。絶対だよ。」と言い残した。意外と欲望に忠実な少女なのがしえみだった。
 男子寮の玄関のドアのところまでしえみを送ったあと、燐は厨房に戻る。そういえば雪男は珍しくついて来なかったなと首を傾げた。いつもしえみが帰る時には見送る弟なのだが、今日は椅子の上でぼーっとしていたような気がする。
「そんなときもあるか。」
 燐は一人納得する。今日の雪男は少し気が緩んでたから、うっかりしていたのだろう。それにそのうっかりを指摘して、雪男に意固地になられてほんわかした時間が台無しになるのは燐の望むところではなかった。
「ゆーきーおー。」
 今日のところは菓子作りでかなり満足した感がある燐だったので、今日の夕飯はストックしてある煮物でいいかと雪男に尋ねようと、厨房から食堂へ入るドアを開けた。
「雪男?」
 雪男は椅子からずり落ちんばかりに、だらんと身体を背もたれに預けていた。
「だ……。」
 大丈夫かと雪男に駆け寄ったら、うっすらと青い瞳は開いていた。呼びかける燐にやはりぼんやりと「何?」と返す雪男。燐は雪男の顔色がほんのり赤いことに気づいた。
「調子悪いのか?」
 燐は雪男の身体を支えて椅子から落ちないように座らせてやる。燐は少し焦っていた。弟はお茶会の間はいつもの整然とした態度とは違って、ぼんやりした様子が多かった。本当に体調が悪かったらと考えると、燐は兄として迂闊だったと頭を抱えたくなる。
「いや。でも……食欲はあったよな? 俺の分まで焼き菓子食ってたし。」
 雪男は熱があった時には極端に食欲が落ちるタイプだ。バターをふんだんに使った焼き菓子など喉を通るわけなどない。試しに額に手を添えてみても顔色の割には熱はない。
「兄さん……なんか頭ふわふわする……。」
「頭ふわふわ? なんだそれ?」
「お腹がちょっとあつぅい……」
 口調がなんだか舌足らずだった。雪男は視線を泳がせたあと、ふうっと息を吐いた。その息が燐の顔にかかる。雪男の息は洋酒の香りを帯びていた。
「あ……あー……。ああ! そっか。そういうことか。」
 燐は自分が菓子に入れたブランデーに思い当たった。しかもそのブランデーは紅茶にも入っていた。
「いや……、あ、あれか。メフィストからかっぱらったカミュのナポレオンⅩO!」
 燐はさながら秘密兵器の名前のように、その酒の名前を叫んだ。
 
     *   *   *
 
 燐は理事長室のキッチンでなにやら物色していた。メフィストは高級な保存の利く食材を放置しがちなので、こうやって燐が時々発掘しては男子寮に持ち帰ることがあった。
 今日発掘したブランデーの瓶を見てメフィストはそういえばと口を開く。
『大分昔にもらったものなんですが。私ブランデーは苦手なんですよね。』
『そうだな。お前みたいな親父は焼酎飲んでるのがお似合いだよな。』
『失礼な。ワインとかは好きなんですよ。』
『ふーん。』
『その顔は味なんかわからねえだろお前って思ってますね。貴方こそ味が分かるって言い出したら、今すぐにも警察に突き出しますよ。』
『いやそう言いたいわけじゃねえけど。料理とか菓子作りにブランデー使うことあるから香りや風味づけには。』
 目の前のブランデーの瓶はかなり古く未開封だった。年代ものであることは一目瞭然だった。そしてそれが上質で値打ちが張るものだと気づいていた。知識や情報量以前の料理人の勘だった。
 それを使って料理を作ってみたいと思った。目の前のどう見てもこの瓶の中身の価値が分かっていない悪魔には勿体なさ過ぎる。
『なあ。これ貰っていい?』
『さっき警察に突き出すって言ったでしょうが。』
『いや。俺さっき言ったよな。料理に使いたいんだけど。』
『……作ったら、ご馳走してくださいよ。』
 燐は渋い顔をする。悪魔は当然のように要求を突きつける。
『お菓子なんかいいですね。私はお菓子に使われた洋酒なら大丈夫ですから。ちなみに私は焼き菓子でしたらドライフルーツをたくさん使ったものが大好きですね。』
 畳み掛けるようにリクエストをする悪魔だった。訊いてねえよと燐は言いたかったが、ブランデーの対価にしては安い要求だったので、そのうち作ってやると要求を飲んだ。
 
     *   *   *
 
「そんなことより雪男だよ。」
 まさか自分の弟が酒に弱いなんて気づかなかった。何せお菓子に入れたブランデーのアルコールは焼く過程で抜けているはずだし、紅茶に入れたブランデーにしたって微々たるものでしかない。しかも雪男とほぼ同じだけ菓子を食べて、紅茶をお代わりまでしたしえみが平気な顔をして帰って行ったので、すっかり失念していた。
「しっかりしろよ。雪男。しえみが帰るまでなんともなかったじゃねえか。」
「えーと。しえみさんと話してる間も、ちょっとぼーっとしてて。」
 そうだろうなと燐は数分前の雪男の、やけに自分を褒める姿を思い出す。ぼーっとしていたのも、兄を不自然に褒めたのも、実は酒の力だったのか。
「なんか変だと思ったら。なあ、雪男。すぐ言ってくれよ兄ちゃんに。」
「れも……頭ふわふわするらけらし……」
「呂律回ってねえし。お前実は、椅子から立てねえだろ?」
 雪男は緩やかに首を横に振って立ち上がろうとする。しかしあらぬほうに傾いて慌てて燐が身体を支えてやった。
「やらっ。なんか部屋がゆれてる……。」
「はいはい。」
「やあっ……。にいさんなんか、こわいっ。」
 雪男はあられもなく燐に抱きつく。燐は雪男を支えながら自分達の部屋にとりあえず運ぶことにした。とにかく雪男を横にさせてやらないと危なっかしくって仕方がない。
「にいっひゃん……」
 燐にしなだれかかっている雪男は、いつもの凛とした態度とは裏腹に兄に甘えることに抵抗がないのか、その長い手足を燐に絡みつかせながら至近距離に顔も寄せてきている。
「にいひゃん。らっこ……。らっこしてぇ?」
「しゃあねえな雪男。兄ちゃんの首に掴まってろ。」
「うーん……。にいひゃん……ぎゅうー。」
 雪男は素直に燐にしがみついた。足元が危なっかしいので燐は雪男を縦抱きにして地面から足を離してやる。雪男は上半身を完全に燐に委ねて首に掴まった。燐の耳元で嬉しそうにうふふだとかくすくすとか笑っている。完全な酔っ払いだった。
「もう少しで部屋だからな。」
 部屋の前まできて燐ははたと足を止めた。このままドアを通過したら、絶対雪男の上背が引っかかる。燐の足腰なら腰を屈めて通過するのもアリだろうが。
「いやそんなリンボーダンスみたいな入り方はアホみたいだろ。」
 自分で自分に突っ込む。じゃあと燐は今度は雪男を横抱きに抱いてやる。雪男は少し身じろいだが大人しく燐の腕の中に納まった。勿論腕は燐の首を抱いたままだ。
 燐は横向きになってドアの枠に雪男をぶつけないように気をつけながらドアを通過する。あとは雪男をベッドに下ろしてやるだけだった。
「雪男。手ぇ離していいぞ。」
「やら。まだ部屋ゆれてるもん。」
「揺れてんのは、お前の頭ん中だろ。」
「やあ! そんなこと言っちゃやだなんだから。」
 雪男は長い足をばたつかせながら燐をベッドの中に引きずり込もうとする。
「おい! 狭いんだから暴れてんじゃねえよ!」
 しかし雪男はぎゅうぎゅうと燐に抱きついたまま離れる様子はない。
「ああもうっ。大人しくしろっ。」
「でーきーまーせーんー。」
 本当に俺の弟はどうしてしまったんだろうと燐は狼狽えた。実のところを言うと、困るよりも可愛いと思ってしまう。ここまで甘えてくるならと、燐は雪男を見下ろしてその髪を撫でてみた。
「んっ。」
 短くて細い猫ッ毛に指が通ると雪男は目を瞑って身体を震わせた。
「兄ちゃん困らせて楽しい?」
 意地悪な質問をしてやる。雪男の全ての行動に悪気はまったく無いだけに、雪男はぽかんと口を開けて沈黙している。
「ゆきお。わるいこなのお兄ちゃん?」
「おにいちゃん?! ですと!」
 燐は慄いた。「お兄ちゃん」と最後に呼ばれたのは幼稚園に入る前くらいだったので、ずっとそう呼ばれるを諦め続けていた。歳の掛ける二くらいしっかりした弟は同い年の兄に対して当然のように兄扱いはしても、その中に甘えの感情を見せてくれたのはごくわずかな幼い頃の記憶の中にしかない。
「おにいちゃん?」
「……なあ、雪男。兄ちゃんに触られるの、気持ちいい?」
 雪男はあっけらかんという言葉が似合うくらいにすぐ頷いた。
「気持ちいいよぉ。お兄ちゃん、もっとぉ……。」
 今日は盆と正月とクリスマスとハロウィンと潅仏会が一緒に来たのかというような気分だった。しかしそれだけに後が怖い。何せ雪男は今、幼児化した酔っ払いなのだ。このまま自分が何かこの弟にやらかして、その時のことを弟が覚えていたら、潔癖症の弟のことだからこの先十年くらい会話すらもしてもらえない可能性もある。それはまずい。しかし――。
「お兄ちゃん? どうしたの?」
 この誘惑には逆らえそうにない。雪男に抱きつかれたまま、雪男の酔いが覚めるまでこの状態をキープしていればいいのだろうか?
「生殺しだろうがそれ!」
 燐は雪男のベッドに上がりこんだ。誰に言っているか分からないが、燐はその言葉と同時に雪男のシャツをたくし上げた。しかしそこではたと手が止まる。
「いや。まずちゅーだろ。」
 キスで嫌がられたら、そこで止めることも出来る。燐は雪男と顔を見合わせた。青に緑がかかった目がとろけそうに自分を見ている。薄く開けられた口の中でピンクの舌が見え隠れしていた。
「雪男。兄ちゃんのこと好き?」
「うん。すき……。」
「兄ちゃん。これからかなりエロいことするけど、いい?」
「エロいこと?」
「ちゅーしたり。色んなとこ舐めたり。触ったり。………。」
 雪男の息は紅茶とケーキの甘い匂いとブランデーの香りが混ざり合っている。なんて甘くて美味しそうなんだろう。白い頬はまるでクリームみたいだし、唇は苺みたいに赤い。それを舐めたりしたらきっと美味しいだろうなと想像出来る。
「雪男。お菓子みたいに美味しそうだから、兄ちゃんが食べちゃっていい?」
「……。いいよぉ。」
 燐は脳内で叫んでのた打ち回った。そして無我夢中に雪男の唇にむしゃぶりつく。
「んー! んー……。」
 雪男の唇はふんわりした砂糖菓子で、舌は柔らかいマシュマロのようだった。唾液は甘いシロップのように絡み付いてくる。
「はあっ……。お兄ちゃんっ。気持ちいい……。」
 雪男は嫌がらない。だから燐は止まれない。気持ちいいが免罪符になるわけがないが、なんだか雪男が許してくれたような気分になる。
 少し力の抜けた雪男の腕を燐は自分の首から引き離した。そして少し上体を起こすと、先ほどたくし上げた雪男の服の下がはっきりと見えた。明らかに自分より鍛えられて端正な大人の体つきをしている。でも肌の滑らかさは歳相応だった。あんな丈の長い服ばっかり着ていたんだから、その肌は日に焼けていないのは当然だろう。紫外線に晒されて荒れて硬い自分の肌とは全く違う。
「そんなに。見ないで……。白くて恥ずかしいから……。」
 どうやら燐を魅了する肌は、弟にとってはコンプレックスらしかった。こんなに綺麗なのにと燐は溜息を吐きながら凝視をやめない。
「やだっ。ほんとに恥ずかしいから……。」
「いや綺麗だから。雪男は。ほんとに。」
「嘘。嘘だよ……。」
 燐は雪男の肌に指を滑らしていく。
「嘘じゃねえよ。綺麗だから雪男は。だから、だから兄ちゃんは――。」
「あんっ……。」
 首までたくし上げた服の下の鎖骨に舌を這わせると雪男は甘い声を上げた。
「うう……。」
 燐の舌は次第に下に下りていく。胸の中央の窪みを擽っていると、燐の下半身に当たる雪男の足が小刻みに震えていた。ちょうど燐を挟むようにしていた両足は膝丈のズボンから伸びた脹脛の白さにも燐は生唾を飲んだ。燐は胸と脚を見比べて少し迷ったあと、後ずさった。
「お兄ちゃん?」
 雪男は怪訝そうに尋ねてくる。燐は雪男の靴下を脱がせて、晒された足の指を舐め始めた。同時に指を脛に這わせてみた。
「おにい……ちゃ……。」
 思いも寄らなかった気持ちよさに雪男は口元を押さえた。ズボンの裾の隙間から手を入れて、さらに上も触られてしまう。
「く……。」
 膝の裏が敏感なのか雪男の震えは大きくなる。燐は雪男の足先を唾液でべたべたにしながら悦に入っていた。
 膝の裏からさらに上を目指した燐の手だったが、雪男のストイックに細くて固いズボンの生地に阻まれてそこから先に進めない。これからは雪男にはジャージしか履かせないと燐が思ったか分からないが、燐は残念そうな顔をして裾から手を抜いた。
「ちぇっ……。」
 そして横たわっている弟に目を向ける。きっちりと雪男の腰を包んでいるズボンのウエスト部分を一瞥して手を掛けようとしたが、そこでまた燐はまた止まった。
「いやまずいだろ。流石に……。」
 雪男ははっきり言えば酔っ払っていてわけが分かっていない。兄に何をされているのか、頭が追いついていないのが正しかった。ここで雪男のズボンを下ろして、燐にとっては雪男の身体の本命部分を見てみたいという欲求はある。何せ小学校の低学年以来、雪男のそこを見た記憶はないのだ。しかしそこで誘惑に負けてしまえば、腐れ外道に落ちてしまう。いや元々サタンの息子という時点で腐れ外道なのだが。そう。自分はナチュラルボーン腐れ外道。
 しかし自分が腐れ外道であることと、弟を腐れ外道の餌食にしてしまうことは別問題。燐はそっと雪男から離れる。
「兄さん?」
 雪男は身体を起こして兄の前に座り込む。だんだん酔いも覚めてきたらしく、とろけた目にいつもの知性と冷静さを取り戻しつつある。微々たる量しかアルコールを摂取していないのだから、当然の結果だった。
「雪男。エロくて痛いことしていい?」
 雪男の今の体勢からして期待はしていない。しかし、燐は雪男から返事を聞かないと自分の都合のいいように動いてしまいかねなかった。雪男は燐を見つめている。なんだかその目は真剣な感情を秘めているように見える。頭のいい弟なのだから、さっきまでの酔っている間のこともある程度記憶しているだろう。だから敢えて言葉にして尋ねてみた。
「兄さん。」
 雪男の手が燐の肩にかかった。
「ゆ、雪男……。俺、お前のことが。だから……。」
 雪男は自分から燐に引き寄せられるように膝立ちになって燐の耳に唇を寄せてくる。はあっと吐き出される息のあと、雪男の言葉が続いた。
 
「やだ。」
 
 燐は泣きそうな顔をして猫背になっていく。至極当然な反応に哀しみを隠せない。
「あー。やっと頭はっきりしたよ。」
 無常な弟の声が燐の耳を打つ。雪男はすたすたとベッドを離れて部屋を出て行こうとしていた。去り際に雪男は兄をわずかに見ていたが、すぐにドアの外に消えた。
 弟が去った部屋に置き去りになった兄は、はっと息を吐いて弟のベッドの上で大の字になって自分の悲しみを笑い飛ばした。
 
「やっぱそうなるよな!」
 
 廊下にまで響く兄の声を聞きながら弟は「馬鹿」と一言呟いた。






すみません。魔法少女ではございませんでした。クールな雪ちゃんを破壊してすみません。そして兄さんはコネクト寸止め。

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HN:
柴仲達
性別:
女性
職業:
会社員
趣味:
読書、二次創作
自己紹介:
忍たまで「幸福雑音」というサークルで、大阪のイベントに出没しています。
絵描きの竹さんと字書きの柴の二人サークルです。
柴はツイッターもしています。http://twitter.com/#!/hitsugi12

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