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幸福雑音

女性向け二次創作サイト。 イベント参加情報もここに載せています。 オフは忍たま、オンでは青エク中心。

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☆ss「アラベスク 前編」 メフィストと雪男 未来捏造 志摩燐要素あり

未来捏造です。雪男が悪魔堕ちしています。大真面目にアホを目指してみました。




 

人類は青の炎に包まれる。まあそれは大げさすぎる表現かもしれない。それを引き起こしたのは誰もが恐れたサタンの息子。しかしその息子は後天的に悪魔になった弟の方だった。
 
     *   *   *
 
 シルクハットに白い特徴的なスーツ。縦じまのタイツ姿の胡散臭い男が自分めがけて飛んできた自販機をひょいと避ける。絶妙の間を取り、破損した破片や衝撃の弾幕からも上手く離脱した。
「このへんに顔見せるなって言いましたよね? フェレス卿――?」
「雪ちゃん。こんな時だからこそ君に顔見せにきたんだよ。」
「僕には奥村雪男って名前がある。」
「それを言うなら君のお兄さんは今は、志摩燐っていうんだよね?」
 黒いカソック姿の雪男の分けた前髪から覗く額に、びきっと青筋が走る。そして彼が纏う青の炎の青がより白に近くなった。
「君は言葉も道理も通じる子だと思ってたんだけどねえ。しかも医者になるって聞いてたから、こんなふうな展開をパクられるとは、本当に寝耳に水だよ。」
「前からあなたの声を聞くたびにこうしたくて堪らなかったんですよ。悪魔になってようやく吹っ切れました。」
「吹っ切れるんなら、違う方向でしょ。もっと早くお兄さんに手を出しておくべきだったね。それか、お兄さんを諦めるか。あっ。その選択肢はありえないのか。」
 メフィストは辺りを見回す。雑然としているようで法則的な正十字学園町の大通り。正十字学園のお膝元であるこの町は本来なら活気に溢れているはずが、祓魔師の迅速な働きによって住民全員が避難しているので、人っ子一人歩いていない。
 ここには祓魔師の誰もが警戒していた奥村燐がいない。代わりにノーマークな上、将来を嘱望されていた弟の雪男がまさかの悪魔堕ちをした。それを唆した藤堂もいない。彼はとっくの昔に自分の所業に見合った罰を受けている。だからこの物語からはすでに部外者の二軍にすら入っていない。解雇状態である。
 そんなことはどうでもいい。とにかく雪男は悪魔堕ちした。魔障を受けていない一般人ですら分かり易いほど、その姿は変わり果てていた。
「兄さんは何処です?」
「気になるかい? でも、当分こっちには帰ってくるなって言ったから、こっちには帰って来れないな。あっ。彼は君と話したくないわけじゃないんだよ。ただ今は新婚旅行中だからね。邪魔しちゃ悪いでしょ。留守中に弟がグレたくらいのこと、後見人の僕がどうにかしなくちゃねえ。」
 新婚旅行という言葉に、雪男の炎は揺らめいている。
「君のお兄さんは結婚願望が強いからねえ。君もずっと一緒にいたんだから、彼の料理に対しての熱心さが何の裏返しか、気付かなかったのが運の尽きだね。単なる男特有のスキル強化の凝り性とは違ったでしょう。君のお兄さんはずっと家庭に入ることを夢見てたんだ。」
「なんで寄りによって志摩君なんだ。」
 メフィストは愉快そうに笑う。
「失礼な言い草じゃないか。志摩君はねえ。何処に嫁がせても恥ずかしくないと、君のお兄さんの料理を絶賛したんだって。」
「見てきたようなことを言う。」
 そこで雪男ははっとする。
「見てたんですね。」
 始終自分達の行動を盗み見ていたのだろう。だから兄に対する雪男の気持ちも知っていながら、見てみぬ振りをした。平等に同じように、志摩と燐のやり取りも見過ごした。雪男はメフィストに憎悪の全てを向ける。
 メフィストに指を差すと、狙いを定めたように青い炎が一筋の軌道を描いてメフィストを取り囲む。
「あなたが唆したんだ! 兄さんも。志摩君も。そして僕が悪魔堕ちするように仕向けたんだ!」
 だったらどうなんですと言わんばかりにメフィストは不敵に笑った。足元の炎を一瞥するとやれやれと肩を落とす。
「本当に君は未練たらしい子だな。青い炎で何をするかと思えば、これって悪魔封じの結界陣じゃないか。悪魔になったくせに祓魔師にしがみつくんじゃないよ。」
 雪男の耳には何も聞こえていないようだった。己さえも消し去りかねない強力な結界を青い炎で作り出し、メフィストを焼き払おうとする。
 メフィストはその炎を見入ることなく、頭に浮かべた燐と志摩の幸せそうなデレデレ顔に微笑む。
「生まれてくるのはきっと双子だね。今まで散々、兵器として扱って悪かったよ。罪滅ぼしに、おじさんちょっと頑張っちゃおうかな。」
 大通りが青い炎に包まれる。そういえば燐が生まれた部屋も青い炎でぼんやりと明るかったっけ? 末期の走馬灯にしては幸せな部類だと思う。走馬灯とは幸せな時間の振り返りだ。
「燐君。おじさんは熱海のお土産楽しみにしてるよ。」
 呟いた刹那――。眼前に炎を纏った雪男自身が飛び出してきた。
 続くかもしれない。





メフィストと雪男のアルマゲドンです。世紀途中救世主メフィスト伝説。

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HN:
柴仲達
性別:
女性
職業:
会社員
趣味:
読書、二次創作
自己紹介:
忍たまで「幸福雑音」というサークルで、大阪のイベントに出没しています。
絵描きの竹さんと字書きの柴の二人サークルです。
柴はツイッターもしています。http://twitter.com/#!/hitsugi12

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